人の睡眠時間はおよそどれくらいが必要でしょうか?
実はその絶対的な基準はありません。それは、体質や性別、年齢やその時の健康状態などによって影響されるためです。
睡眠時間は長ければ良いということでもない!!
がんや糖尿病、高血圧などの生活習慣病、うつなど精神疾患などさまざまな疾病の発症リスクを高めることが、明らかになっています。このことから、単に睡眠時間が長ければ良いというわけでもないようです。
アメリカでの大規模調査によると、睡眠時間が7時間の人が最も死亡率が低い長寿でした。ちなみに8時間を超える睡眠時間の人は死亡リスクが上昇するという結果が出ています。
年齢別でいうと、夜間の睡眠時間は、10才までは8~10時間、15才で約8時間、25才で約7時間、45才で約6.5時間、65才で約6時間と、加齢とともに必要な睡眠時間がが少なくなるということが言われています。よく「歳を取ると昔ほど長時間眠れなくなった」という悩みを聞きますが、実は加齢に伴い必要とする睡眠時間が少なくなっているというのが事実のようです。成人の場合、個人差はあるものの6~7時間前後の睡眠時間が目安です。
また、高齢の方は若い頃に比べると早寝早起きになるようです。これは体内時計の加齢変化によるもので、睡眠時間だけではなく、血圧・体温・ホルモン分泌など睡眠を支える多くの生体機能リズムがバランスを崩すことによって起こります。
さらに加齢とともに睡眠も浅くなります。睡眠脳波を調べてみると、深いノンレム睡眠が減って浅いレム睡眠が増えるようになります。そのためちょっとした物音や尿意など、夜間何度も目が覚めてしまうようになります。よく若い頃の睡眠に比べてあまり眠れなくなったということを経験するかもしれませんが、実は加齢に伴い体内に必要な睡眠が変化してきているようです。
睡眠で第一に大事になるのは「睡眠時間をきちんと確保すること」です。日中眠くなることが多かったり、仕事や学校のない休日に朝遅くまで寝てしまっている場合は、日頃の睡眠時間が足りないというサインになります。
睡眠には「脳や体の休養」「疲労回復」「免疫機能の増加」「記憶の固定」「感情コントロール」など多くの重要な役割があります。うまく睡眠不足を解消しながら、体内リズムをコントロールして、生き生きとした毎日を過ごしていきましょう!!